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プロのミュージカル俳優になるための進路選択

これまでの「業界の裏話」のタイトルを変えて、プロのミュージカル俳優になるために選択する進路について書きます。かつて専門学校や大学、自分のミュージカルスクールで指導してきた経験から、「ぶっちゃけ」の話を書きます。

なお、これから書く事は私(代表の米田)が考えている事、感じてきた事であって、全て個人の考えであり、個人の責任において書くものです。お読みになる方も自己責任でお読み下さい。

2013.12.26

ミュージカルを学ぶ学校

私のところにはミュージカルを勉強したいと考えている高校生や、大学生、大人になってからミュージカルを始めたいと考えている方が来られます。

「やはりどこかの学校やミュージカルスクールに入らなくてはミュージカル俳優になれないのでしょうか?」

この問題を考えていきます。
これから書いていく事は「東京」または「首都圏」に限っています。
前提として、ミュージカルの仕事はほとんど首都圏に集中している事を理解していただきたいと思います。

大きな格差

近年、ミュージカル専攻を科目として教えている大学や専門学校、スクールが非常に多くなりました。
もちろん、大阪、名古屋、大分、仙台など地方にも多くの学校が存在します。
しかし、その教育レベルは決して高いとは言えない状況です。

なぜなら、東京とその他の地方では「レベル」の大きな格差があるからです。
ミュージカル制作や公演の仕事が東京周辺に集中しているため、スタッフや指導者も同様に集中しているからです。劇団四季、東宝、ホリプロなどは、地方公演を行う場合、東京で稽古します。もちろん、プロデューサー、脚本家、演出家、作曲家、音楽監督、歌唱指導、振付家、さらには音響スタッフ、照明スタッフ、舞台美術家など、ミュージカルにかかわるほぼすべてのスタッフが東京や首都圏に存在します。
出演者も同様で、大手の公演ではこれらの人々が東京で稽古し、地方公演に出かけます。

このような理由から、東京以外の地方では経験を積んだ指導者がほぼ存在しないことになります。極端に言うと、「地方で教えている方」→「東京で仕事にならなかった」とも言えるのです。
もちろんバレエ、ジャズダンス、モダンダンスの素晴らしい教師は東京以外にもたくさんいらっしゃいます。ここは誤解しないでください。私の生徒で某大手劇団に所属する双子の男性は、高校まで大会レベルでバレエを学び、現在は劇団で「ダンスがうまい!」と高く評価されていますが、この兄弟は青森県八戸市出身です。でも歌は私のところで学び、オーディションに合格しました。

地方都市の大学などではミュージカルを教える先生が圧倒的に不足します。そのため、東京から教師が通勤していたり、ある期間だけ授業を持っていたりします。また、経費削減のため、プロを経験していない卒業生に大学の授業を持てせている、かなりとんでもない学校も存在します。

私の専門である「歌」で考えると、ミュージカルを教えられる教師は東京にも少数しか存在しません。地方都市に限らず、東京の音楽大学ミュージカル専攻でもクラシックの声楽を教えている先生が「ミュージカル唱法」の授業を持つ事が少なくありません。

ミュージカルで「歌」を教えるには、当然ながら高いレベルで譜面が理解できる。ピアノが弾ける。歌える。教えられる。ここまでは一般の方も考え付くと思います。ですから、ミュージカル専攻で歌を教えている教師は「過去に大きな舞台の出演歴がある」方が多いのです。
しかし、それだけでは自分が演じた役、自分がかかわった作品しか分からないことになります。ミュージカルの歌を教えるということは、音楽監督や歌唱指導など、スタッフとしていくつものミュージカル作品にかかわっていなければ「ミュージカルの全体像」を理解することはできません。ただ「歌を教える」のではなくて「ミュージカルの中で使える発声や表現方法」を教えられなければ意味がありません。

このような条件を考えると、ミュージカルを専門的に教える教師が少ないのはご理解いただけると思います。チェーンで展開している「ボーカルスタジオ」の類には、そもそもこのようなキャリアを積んだ教師がいるとは考えにくいのです。

クラシックの声楽教師がミュージカルの歌を教えているという話もよく聞きますが、「クラシックが全ての基礎」ではありませんので、クラシックの声楽だけ学んでも、ミュージカルで使える俳優になれるとは限りません。

この事は「歌」だけに限らず「ダンス」や「演技」でも同様の事態が起きています。

ミュージカルの演出ができる方なんて、東京にもごく僅かしかいないのに、地方都市で探すのはとても無理な相談です。市民ミュージカルの指導者レベルでは、プロの俳優を育てるのは「まぐれ当たり」に近いことです。私が親しくしているミュージカル演出家は、週の半分を関西に滞在し、大学の授業のために当てています。

前置きが長くなりましたが、そのような訳で、これから学校の事について書くのは良くも悪くも現状である、と言うことをご理解いただければ幸いです。

ミュージカルの専門の学校について

ミュージカルを総合的に学ぶとしたら、次の方法が考えられます。

  1. 大学や短期大学 更新済み
  2. 専門学校(専修学校を除く) 更新済み
  3. 劇団や団体が運営している研究所などの養成施設 更新済み
  4. フリースクール(文部科学省の認可を受けていないスクール)更新済み
  5. 選択肢として考えられる進路とは 更新済み

さて、この続きです

ここからは1.と2.について書きます。

3.は「劇団四季」の研究所です。
これについてはかなり詳しくこのサイトで解説していますので、ここでは触れません。
4.は、私もかつてミュージカルスクールを運営していましたが、さまざまなレベルのスクールが混在していますので、自己責任で判断していただくか、「お問い合わせフォーム」か「メール」で、私に直接ご質問下さい。

1.大学や短期大学について

近年は音楽大学や一般大学の芸術学部でミュージカルコースを設置しているところが増えました。
わたしも大学や専門学校で教えていた期間が長かったので、「学科やコースの扱い方」「指導方針」「カリキュラム」「講師陣」などを見ると、大体の様子が分かります。

専門にミュージカルの教育をしようとしている学校と、「いろいろ学べますよ」的な扱いでミュージカルと書いている学校に分かれます。

ずばり言うと、「おまけ」ではなく、ミュージカルを専門的に教育しようとしている大学・短大は少数です。

洗足学園音楽大学、昭和音楽大学、尚美学園大学、桐朋学園芸術短期大学、国立音楽大学などのミュージカル専攻です。

他にもいくつか大学がありますが、どちらも演劇やパフォーミングアーツの一環としてミュージカルらしき物が学べると言う位置づけだと思います。
もちろん、それらの大学を卒業してミュージカル俳優になる事は可能です。

洗足学園大学、昭和音楽大学、国立音楽大学ともに音楽大学で、とても立派な施設や設備を持っていますが、一方で、授業料や入学金が「音大料金」となっていて、初年度納入金が250万円くらいかから事はざらです。費用がかなり高い事を考えに入れなくてはなりません。

以前、このページに書いていたこととは全く違うことを書きます。かつてはどこの大学の指導者にも知人がおり、厳しいことが書けませんでした。今回は「しがらみを捨てて」厳しく書きます。

音楽大学を含むすべての大学のミュージカルコースに進学することは『お金の無駄』に近い、費用対効果がとても悪いことです。私はお勧めしません!
なぜなら、どこの大学も「ミュージカル教育」と言う事を理解している学科長、主任教授がいないからです。ミュージカル俳優を育てる教育というのは、とても手間暇がかかります。本来ならバレエ、ジャズダンス、シアターダンス、タップダンスなどのダンスを卒業まで継続して続けなければなりません。また、歌のレッスンもミュージカルに精通した教師が「個人レッスン」で教えた上に、アンサンブルやコーラスの授業が必要です。演技はとても時間がかかるジャンルで、いわゆるメソッドと言う基本的な演劇理論を用いて、基礎からレッスンしなければなりません。
他にも楽譜を読むための音楽理論、ミュージカルを深く理解するためのミュージカル史、英語の台本や歌詞を翻訳して上演することが多い我が国では、オリジナルのテキストを理解するために不可欠な英語の授業を充実させなくてはなりません。
そんなカリキュラムで授業を行っている大学は『日本に皆無』なのです。
場当たり的に授業カリキュラムを組み、半期しかダンスがないなどと言うのは当たり前です。

これでプロの俳優が育てられるのなら楽な話です。もちろん学生の中にはプロになれる方もごくわずか存在しますが、そういった学生は「天性のセンス」を持った方だけで、教えなくても機会さえ与えれば上達します。そのような学生を「実績」として謳っている大学はたくさんあります。
大学の例をとれば、東横線沿線の音大のミュージカルコースはとてもたくさんの学生が在籍しています。なぜなら、推薦入試のほか、一般入試が3月末まで何度もあり、繰り返し受験すればほぼ全ての受験生が合格できます。「受験料稼ぎ」です。その学生のうち、学内公演やワークショップ、オープンキャンパスなどの舞台に立てるのは15人~20人と言われています。つまり20%くらいにしか日が当たらず、残りは「授業料を払う係」なのです。

この大学に受験者を大幅に奪われているのは、小田急線沿線の音楽大学です。各学年20人程度しか学生がおらず、男子学生がゼロの年度もあります。また、学生数が少ないために公演や授業にかけられる経費が少なく、授業料のほかに衣装代などを自腹で負担することが少なくありません。大学側は「金がない」事ばかり学生に伝えるそうです。

京王線沿線の短大は「演劇部」の中の「演劇専攻」つまりストレートプレイと「ミュージカル専攻」に分かれています。ミュージカル専攻ができた頃は志望者がとても多く、「ミュージカル専攻」希望の学生を無理やり「演劇専攻」に振り分けていましたが、近年は逆転しています。ミュージカル専攻が少なくなっているのです。その理由は、とある方がミュージカルの主任教授に就任してから、入試で良さそうな学生を自分の「歌の門下」に入れて、その学生ばかりを贔屓しているからです。強権的な指導方法や立ち居振る舞いにも、学生の非難が相当数あるようです。その結果、受験者が減少しているのは当然です。

このように、問題があるコースが設置されている大学も含めて、選択する価値があるのだろうか?と感じます。そこに多額の費用を支払うのは考え物だと思います。もちろん、これは私個人の意見です。
 

2023.2.11

2.専門学校について

こちらは大きく分けると5つに分類する事ができます。

  1. ミュージカルを専門的に教育しようとしている
  2. 声優やタレントになるための学校で、ミュージカルも学べます…、と言っているところ
  3. 音楽系の専門学校で、ダンスや歌もできますからミュージカルにも行けますよ…、と言っているところ
  4. ダンス系の専門学校で、テーマパークのダンサーやイベントやショーのダンサーになれるので、その延長上にミュージカルがありますよ…、と言っているところ
  5. ありとあらゆる学科やコースがある総合系の専門学校(声優・俳優・ダンサー・ミュージシャンなど何でもあり)

専門学校を選ぶ価値

こう考えると、やはり1.の専門的に教育しようとしている専門学校しか選択肢がない事になりますが、現時点では少子化が厳しく、芸術・芸能系の専門学校は、どこも消滅や倒産の危機に瀕しています。

このような専門学校では入試が存在しません。極端な話、「名前を漢字で書いて費用を納入すれば合格する」のが当たり前です。

これは重大な問題です。ミュージカル系の専門学校に入学する生徒のレベルが極端に異なるのです。大学などに問題なく進学できる学力があるけれど、どうしてもミュージカルを学びたいので専門学校に入ってくる人。勉強は好きじゃないけどやりたい事もない。何となく華やかな世界だからやってみたい、と思って入学する人。むろん大学を卒業したり、社会人を経て専門学校に再入学する人も少数ですが存在します。

入学者のレベル差が大きい事によって起こる最大の問題があります。知的レベルとモチベーションの高い人は「こんなレベルの低い事はやってられない!」と考えます。一方、意欲が低く、しかも安易な授業を想像していた人たちは「こんなきつい事はやってられないし、何を言われてるのか全然わかんない!」と、両者それぞれの感情を抱きます。

やがて両者共に退学してしまいます。専門学校で一番大きな問題は退学です。退学者が出てクラスの人数が減った方が授業がしやすいと言う教師さえいます。しかし退学者が多いという事は授業の満足度が低い事と一致しています。経営者は、退学者が出て授業料の収入が減ると、更に授業や発表会、公演にかける費用を減らさなくてはなりません。そうなると更に退学者が出るという悪循環にはまっています。歴史の長い池袋の専門学校は、入学者が20人を切っているそうで、かつては「演劇部」と「ミュージカル部」に分かれていましたが、生徒数の減少で「舞台には演技もダンスも歌も必要だ」と言う理屈で一つの科にまとめてしまいましたが、消滅の危機に瀕しています。水道橋にある比較的歴史の長い専門学校のミュージカルコースも同様の状態です。
ミュージカルコースがある専門学校では、なおさら教育の質が低下しています。選択する意味があるでしょうか?

                                    2023.2.11

3. 劇団や団体が運営している研究所

劇団が運営している研究所について、このサイトではミュージカルを扱っていますので、俳優座、文学座、青年座などのストレートプレイ専門ところについては触れません。
となると現時点では劇団四季の研究所一択になってしまいます。以前はミュージカルアカデミーがありましたが、閉鎖してしまいました。かなり前から受験者が激減していたのと、レッスン場や講師料の経費が非常に高く、赤字体質が続いていたため閉鎖は時間の問題とみられていました。
四季の研究所について現時点で書けることを書きます。2022年の研究生オーディションでは、応募者が約1,200名、合格者は34名です。(4月時点では減る可能性が若干ありますが)
応募者の男女比率は9:1未満で男性が圧倒的に少ない状況です。ざっくり計算すると女性の合格率は1.5%位と、非常に狭き門です。

四季の研究所について誤った理解をしている方が多く見受けられます。研究生になるとバレエ、ジャズ、歌、演技などを基礎から丁寧に教えてくれると考えるのは誤解です。研究生の1年間は「使える子と使えない子を振り分ける期間」なのです。
例えば、バレエやジャズダンスのグループレッスンで丁寧に教えられる人数は13人~14人くらいです。四季は全員に対して講師が1名で、アシスタントもいません。歌も時々、指名されて一人ずつ歌って問題点を指摘される程度です。では、研究生が上達するためにどうしているかと言えば、バレエやダンスが不得意な子は上手な子に教わり、歌が不得意な子は歌の子に教わる・・・、そんな努力をしています。つまり、入所前にどれだけ歌やダンスの能力を高めておけるかがカギとなります。授業料が無料なので懇切丁寧なレッスンをしろ、と言うほうが無理な相談なのです。私のところでは歌を専門にと考えている生徒でも、バレエやダンスのレッスンはかなりたくさん受けています。また、ダンス専門で行こうと考えている生徒も歌のレッスンにしっかり通っています。年齢が若いうちに合格することが大切なのではなく、十分な能力を身に付けて下さい。研究所で「使えない子」と思われると、その後のキャリアが閉ざされる場合が圧倒的に多いのです。研究生に合格することが目的ではありませんので、その点を良くお考え下さい。

                                   2023.2.12

フリースクール

フリースクールとは専門学校(専修学校ではなく)や大学、短期大学などの文部科学省の認可を受けている「学校法人」ではなく、個人や団体が無認可で運営しているところです。
ダンス、歌、演技などのレッスンがまとめて受けられることから、このようなスクールに入ったほうが効率が良い、と考える方もたくさんいらっしゃいます。
これまでご説明してきたように、専門学校や大学でもレベルの高い授業・レッスンが受けられないのに、このようなスクールでは更にレベル的な問題があります。講師によっては良い先生もいる場合が多いのですが、全てのレッスンが良い内容であったり、進路について面倒見が良いところは、私の知る限り、ほとんど存在しません。
また、パワハラが日常的に行われているところも多数存在します。例えば、Broadwayの名前がついているスクールでは、主催者のK氏のパワハラがひどく、時には暴力をふるうこともあるそうです。アメリカにそんな学校は存在しません。都心と千葉の臨海部にスタジオを持つスクールも、主催者のM氏のパワハラがひどいと評判です。四季系統の講師が教えている田園都市線にあるスクールも「強権的な教え方」で有名です。他にも小さい子供から大人まで、全て英語でレッスンするYと言うスクールが各地にありますが、英語を理解できないのに、丸暗記させて公演することの意味が全く分かりません。このスクールは男性がとても少なく(ここだけではありませんが)、男性が退会しようとしたら、内緒でレッスン料を無料にするから残ってくれ、と言われたのを本人から聞いたことがあります。
このようなスクールは生徒が少なくて経営的に厳しいところがほとんどですので、生徒を何とかして引き留めようと必死です。とは言え、レッスンごとのオープンクラスを実施しているところは、先生さえ選べば良いレッスンが受けられる場合もあります。ただ、「入会」する必要があるかどうかはとても疑問ですし、お勧めはできません。
                                          2023.2.19

考えられる選択肢

ここまで書いてきたことから考えると、「じゃあどこでミュージカルを学べばいいんだよ!」となると思います。私自身、お勧めできる学校やスクールがなくて、本当に頭が痛い問題です。
では選択肢を考えてみましょう。

1. 経済的にかなりの余裕があるご家庭の方。
 私がお勧めしているのは海外の大学に留学する方法です。場所としては「アメリカ」「イギリス」に限られてきます。日本国内と違って、アメリカにはミュージカル(performingarts)を学べる大学がたくさんあります。ロングランで上演を行っている劇場があるのはニューヨークだけではありません。ボストン、ワシントンDC、シカゴ、ロスアンゼルス、マイアミなどで、特にラスベガスのミュージカルを含めたショーはものすごくレベルが高いことで知られています。Broadwayに対してこれらの劇場はRegional Theaterと呼ばれています。したがって、ミュージカルを指導するスタッフも各地にたくさん存在します。
利点としては、指導者の質が高い、モチベーションの高い学生と一緒に学べる、英語が話せるようになる、将来的にはアメリカで仕事ができる可能性もある。と言う事だと思います。アメリカ全土だけでなく、世界各地から集まってくる学生のモチベーションは非常に高く、とても努力します。そういった学生の中で学ぶことは自分自身のために大変役立つことです。
イギリスについても同様のことが言えます。
問題点は、授業料がとても高いことです。大学には州立大学(公立)と私立大学があります。アメリカやイギリスに「国立大学」と言う概念はありません。州立大学だとそこの州の住民は比較的安い(と言っても高い)授業料ですが、他の州、他の国から来た学生は年間の授業料が300万ドルはかかります。他にドミトリー(学校の寮)やミール(食事)などを考えると4年間で2,500万円くらいは最低でも必要です。
私立大学だと年間の学費が500万ドルは必要ですので、4年間だと4,000万円くらいは覚悟しなくてはなりません。
他にも「留学斡旋会社」に支援してもらわないと、学校の選定、ビザの取得、渡航の準備などができません。ここにも数十万円は必要です。ですので、ご家庭の経済力がとても大切になります。
また、英語力は必須です。ダンスで使う英語はたかが知れていますが、演技や一般の授業を受けるには、かなり高いレベルで英語が使いこなせなければなりません。できれば「アイエルツ」で6.5くらいのスコアは欲しいところです。ニューヨークには「AMDA]と言うレベルの高い専門学校がありますが、こちらも学費はかなり高額です。
イギリスについても学費や経費の点はほぼ同じと考えてよいと思います。イギリスにもかなりたくさんのPerforming Artsを学ぶ学校があります。短大も存在します。

2. そこまでの経済力が伴わないご家庭の方
私がお勧めしているのは、音楽大学や大学の芸術コースではなく、一般大学の文系に進学することです。これも東京周辺になってしまいます。文系ですと年間の授業料は100万円前後ですので、音大料金の半分以下です。学部や学科のよりますが、1~2年は比較的忙しいものの、3~4年次はかなり授業が少なくなります。中にはゼミをとらなくてもよい、卒論を書かなくてもよい学部学科があります。この時間の余裕と費用的な余裕を使って、1~2年はできるだけレッスンに通う。3~4年はめちゃめちゃレッスンに集中する、と言う方法が使えます。ダンスレッスンに通うスタジオは「BDC」「ダンスワークス」「ドラスティック」 などがあり、バレエはたくさんスタジオがあります。こう言ったところの「オープンクラス」で、自分のレベルにあったレッスンを受けます。上達に連れて「入門」「初級」「初中級」「中級」などとレベルアップすることができます。
歌も「個人レッスン」のスタジオに通います。チェーンのボーカルスクールやスタジオは絶対に避けましょう。お金の無駄です。また、歌では「グループレッスン」で上達することは絶対にありません。個々の能力に合わせた個人レッスンが必須です。
演技については、東京でもなかなか良いレッスンが受けられません。ただ、演技の上達は一番時間がかかりますので、急ぐ必要はありません。まずダンスと歌のレッスンをしっかり受けてスキルを身につけましょう。4年間と言う時間があれば、かなり上達できます。
大学によっては「交換留学」の制度があるところもあります。1年間だけですが、日本の大学の学費を払うことでアメリカやイギリスの大学で授業やレッスンが受けられます。ただ、大学や学部を丁寧に選ばないとミュージカル系の授業がない!と言う事になりかねません。
もちろん「アイエルツ」のスコアは最低でも6.0以上ないと厳しいでしょう。また、留学の斡旋会社の力を借りることも必要ですので、ドミトリー、ミール、行き来の交通費など、一定の出費は覚悟してください。

このように一般大学に進学すると「大学卒業」の資格も得られます。プロになれる確率はとても低いので、バックアップとして大卒は良いと思います。
ただ、難易度の低い大学に進学すると、周りの学生や友達の学力が低くなってしまいますので、受験で苦しんでも一定レベルの「上位校」に進学することをお勧めします。

この方法は進路相談を受けたときに、最もお勧めしている方法です。問題点は二つ。大学の授業は出席して試験を受けなければ卒業できませんが、レッスンは休むことができます。
「芸の修行に取り組む高いモチベーション」「高い自己管理能力」が欠かせません。これができない方は、そもそもプロのミュージカル俳優になることはできません。

自分の将来に向けて「費用」「効果」「実現性」をよく考えてください。

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