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劇団四季について知ろう

 劇団四季のオーディションに応募したいあなた、四季についてきちんとした情報を持っていますか?なんとなく観念的な感情に流されて応募しようとしていませんか?
 ここでは1.劇団四季の基礎知識、2.研究生とオーディション、3.一般(即戦力)とオーディションについて解説します。ただ、私は四季に所属したことも社員であったこともありませんので、劇団員の弟子、これまでの傾向をまとめた
個人的な意見である事をご理解下さい。

劇団四季についての基礎的知識

 劇団四季について以外と知られていないのは、劇団員が社員ではないことです。劇団四季は大きく分けると2つの要素から成り立っています。
「四季 株式会社」 劇団の経営を担当する部分で、普通の株式会社と同じく、会長、社長、その他の取締役などがいます。企画、営業、経理、総務、人事、制作などの部門があります。ホームページに記載されている情報では260名強の社員がいます。これは劇団員ではありません。資本金が約5億円、2017年度の売り上げが約221億5千万円となっていますので、社会的には「中企業」と言って良いと思います。
「劇団 四季」 ほとんどの方が考える四季、とはこちらのことです。所属している俳優・女優、照明・音響・舞台監督などの技術スタッフは、私の知る限り「事業請負契約」つまり、一人一人が「四季 株式会社」と個人契約を結んで仕事を請け負っている「個人事業主」です。契約は基本的に1年契約で、毎年更新されます。不要と見なされたり、契約条項に違反すると契約解除・・・つまり「くび」になってしまいます。連続的な身分保障はありません。
 「四季 株式会社」は売り上げ規模からすると「株式公開」つまり「東証一部」とか「ジャスダック」「マザーズ」などに上場して、資金を調達し、一般の株主が株式を売買できるのですが、「四季 株式会社」は株式を公開していません。良い点は、企業の意思決定が迅速に行える。外部の意思にとらわれずに企業経営が出来る。資産を思うように使える・・・等です。
良くない点は、一般株主による企業経営のチェック機能が働かない。つまり「ガバナンス=内部統制」や「コンプライアンス=法令遵守」と言った、現在の企業に求められる基本的な機能に問題があっても改善されにくいことが上げられます。

 こんなこと、皆さんご存じでしたか? 基本的なことは知っておきましょうね。

研究生と研究生オーディションについて

 研究生とは劇団四季の付属研究所に在籍する方のことで、皆さんご存じだと思います。研究所に入所するためには「研究生オーディション」を受験しなければなりません。
 詳しくはサイドメニューの「劇団四季2019オーディション」をご覧いただきたいと思いますが、ここでざっとご説明しておきます。

 オーディションを受験するためには「書類選考」「予選」「本選」と言う手順を踏まなければなりません。受験コースによって「書類選考」の準備が異なりますので、ご注意下さい。
 コースは5つあり、「バレエ」「ジャズダンス」「ボーカルクラシック」「ボーカルポピュラー」「演技」の各ジャンルです。

 2020年(今年)に入所する研究生は40名です。2019年は37名。2018年は42名でした。2018年以前は数年間、42名で安定していたのですが、いろいろな事情があり、この3年間は人数が変動しています。(詳しい事情は、ここで書くことができません!)

 まず、全ジャンルについてご必要な準備をご説明します。「書類選考」の際に、どのジャンルでも「歌唱の音源」「セリフの音源」をCDで提出しなければなりません。(2019年からMDでの応募がなくなりました。MDを持っている人はほとんどいないですからね!)また、バストアップ(上半身)と全身の写真をキャビネ判か2Lサイズでプリントし、身長・体重・3サイズの記入と共に用紙に貼り付けて提出します。次に、住所・氏名・家族構成・学歴・レッスン歴・芸歴(舞台歴)・音域・志望動機を記入した書類に記入しなくてはなりません。この用紙はA4サイズでダウンロードするようになっていますが、「A3サイズに拡大コピーして記入」しなくてはなりません。ご自宅でA3に拡大できる方は少ないと思いますので、コンビニなどで拡大コピーして下さい。

 次に、「バレエ」「ジャズダンス」コースに必要な作業をご説明します。1分半~2分の動画を、DVDに焼いて提出するか、WEB上でアップロードする作業が必要です。確実なのはDVDで提出する方法だと思います。録画できているかどうか確認できるのと、YouTubeへの動画アップロードが怪しい方にはお勧めです。ただ、PCだけで再生できるDVDではなく、「家庭用のDVDプレーヤーで再生可能」でなくてはなりません。そのためには動画データを変換してDVDに書き込む「エンコードソフト」が必要になります。どちらにしても「余分な部分をカットする編集」が必要ですから、できない方は知識のあるお友達などにお願いするのが良いと思います。

 これらの書類、写真、CD、DVD(動画)が全て用意できたら、「応募要項」を見ながらチェックして締め切り期限までに郵送します。詳しくは「2019オーディション」をご覧いただくとコツが分かると思います。郵送に際しては「角2封筒」より「レターパックライト370」のご利用をお勧めします。レターパックは封筒よりかなり丈夫なのと、記録の追跡が可能なこと、速達とほとんどスピードは同じ、料金は封書よりかえって安い事が上げられます。「切手を貼り付けた返信用封筒」は絶対に忘れずに同封して下さい!

 これらの書類が届いたら「書類選考」となります。書類選考を通過すると予選の「受験番号」「時間」「セリフ課題」「歌唱課題曲」「準備するもの」などが入った、先ほどの返信用封筒が届きます。(歌唱コースの方は予選で自分が提出した自由曲を歌います)
 残念ながら書類選考を通過できなかった方には「薄い封筒」が届きます。

 この「書類選考」が曲者で、毎年の書類応募人数が700名~800名程度なのに対して、実際は1/3~1/4程度しか選考を通過できません。つまり、第一の目標は書類選考を通過することですから、この段階での準備を、よほどしっかり行わないと先へは進めません。私のところでは、レッスンにいらしている生徒さんに対して、選曲して歌唱データの録音、セリフの選択・セリフデータの録音はもとより、写真の選択、書類のチェックと修正、ダンスの動画撮影に関するアドバイス、動画の確認、DVDへの書き込みなど、全ての作業のお手伝いをしております。「書類の完成度」が大切な事を十分理解しましょう!

研究生 各コースについて

 劇団四季の研究生オーディションに応募するためには、次の5コースの中から受験ジャンルを選択する必要があります。
 1.クラシックバレエ
 2.ジャズダンス
 3.ボーカル・クラシック
 4.ボーカル・ポピュラー
 5.演技

 これらのコースについて、内容や難易度、現在の状況を解説します。
1.クラシックバレエ このコースは文字通りクラシックバレエを学だ方を対象とするものです。現在、バレエコースは大変な難関となっています。その原因は3つあると考えられます。

(1)クラシックバレエを必要とするミュージカル作品が少ないこと。現在、四季で上演中のミュージカルの中でバレエが使われる作品は主に3つです。「オペラ座の怪人」「パリのアメリカ人」「アンデルセン」です。そのため、相対的にバレエダンサーのニーズが高くないのです。

(2)2017年に行われた「パリのアメリカ人」オーディションで、バレエの上手な方をある程度採用したことによって、現在もバレエダンサーが過剰な状況になっているようです。また、バレエコースを受験する方のレベルが比較的高くて、海外留学してきた方、国内のコンクールで上位入賞した経歴の方、プロのバレエ団に所属していた方も受験します。バレエコースを受験しようと考えている方は、バレエの技術にかなりの自信を持っている方が良いと思います。

(3)バレエを学んで来た方の多くは3~4歳で始められています。ほとんどの方はバレエだけに専念して技術を高めています。そのため、歌の経験が全くない方、バレエ以外のダンスを学んでいない方もたくさんいらっしゃいます。結果的に「バレエだけ踊れる」方が主になりますので、ミュージカルとして考えたときに、なかなか使いずらい人材になってしまうことが見受けられます。とは言え、最近はバレエコースを受験するために歌のレッスンを受けている方、ジャズダンスやシアターダンスのレッスンを受けている方も増えています。私の生徒さんにもバレエが非常に高いレベルで踊れて、更に歌のレッスンに励んでいる生徒さんも多くいます。

2.ジャズダンスコース このコースを受験する方で多く見られるのは、音楽大学や専門学校でミュージカルを専攻してきた方多いようです。幼少からバレエを始めてジャズダンスに転向した方、最初からジャズダンスのレッスンを積んできた方、新体操や体育大学の舞踊コースを経てジャズダンスに転向した方が多いように思います。ジャズダンスコースでは、ただダンスが踊れるだけではなく、歌も一定程度の水準に達していて、全体的なバランスが重視されるようです。こちらも受験する方のレベルが高いので、ダンスだけでなく歌も十分に準備されることが大切です。
バレエコースに対してジャズダンスコースの方が合格率が高いと考えられることから、バレエからジャズダンスにコース変更して受験する方もいます。私の生徒さんでもジャズダンスが大幅に向上したことから、コース変更を勧めて合格した方がいます。

3.ボーカル・クラシック このコースも難易度はかなり高くて、単に音楽大学の声楽科を卒業しただけでは、なかなか合格しません。亡くなられた浅利慶太氏が、かつてこう仰ったそうです。「芸大以外は音大ではない」 武蔵野音楽大学・大学院出身の私としては苦笑してしまうところですが、各音楽大学には「得意分野」があり、東京芸大は基本的にオールマイティー。国立音楽大学は伝統的に声楽と木管楽器、武蔵野音楽大学は金管楽器とピアノ、桐朋学園音楽大学はピアノと弦楽器、東京音楽大学は声楽・・・、と言うように、ある程度ジャンル分けされています。(必ずではありません) では、そのほかの音楽大学はと言うと、ジャズやポピュラー音楽のジャンルを除くと、残念ながら中位~下位の音楽大学と認識されてしまうのが、クラシック業界です。上記の音大で声楽を得意とするところの声楽科で成績がかなり上位に位置しているか、二期会や藤原歌劇団の研究所でも成績上位でないと合格は困難だと思います。(他の音大で学んでいる方、失礼をお許し下さい。)
一方で、クラシックの声楽が上手な方は、幼少から音楽に専念してきた方がほとんどなので、ダンスはもとより、運動が苦手な方がたくさんいます。(私もその一人です)
ジャズダンスやバレエが上達しない方は、たとえ研究生になることができても、1年間の研究生を終えても「劇団員として採用されない。」つまり、契約に至らない方もそれなりに存在します。ボーカル・クラシックで受験する方は、数年前から計画的にダンスのレッスンを始めるのが良いと思います。踊れないとミュージカルの舞台には立てませんから。

4.ボーカル・ポピュラー ここは最難関かもしれません。なぜなら絶対的な基準(出身音大など)がはっきりしないからです。このコースを受験する方は、ジャズダンスの逆で、音大のミュージカルコースや専門学校などでミュージカルを学んだ方の内、歌が得意な方が受験することが多いと思います。ポピュラーだからと言って、Jポップやロックが歌えればよいわけではありません。ちゃんとミュージカルナンバーを、かなりのレベルで歌えること。そして、ジャズダンスでも一定のレベルに達している必要があります。基準がはっきりしない分、その年度によって合格率に差が出る場合もあると思います。また、録音の音質が悪い場合は「その程度の知識レベル、しっかり指導してくれない先生に教わっている。」と判断される場合がありますから、書類選考でとても不利になります。私のところでも録音には非常に気を使っていて、レコーディングスタジオと同等のレベルで、音質や音量だけでなく、その生徒さんに最も適しているミュージカルナンバーを選曲し、その曲の中で「どの部分をうたうのか」にも徹底的にこだわっています。ジャズダンスコースと同様、「総合力の勝負」になってしまいます。

5.演技コース この様なタイトルだと、演技を学んで来た方が受験するコース、と考える方が多いと思いますが、現実は全く違うように思います。バレエやジャズダンス、歌のレッスンを十分に積んでいない、または全く未経験の方がたくさん応募します。いわゆる「四季が大好きでどうしても舞台に立ちたい。だけどレッスン経験はない。」ような方が中心になってしまいます。また、高校演劇で全国大会に出場した・・・、と言うような経歴もほとんど役に立ちません。ひどい書き方ですが、選考する側は「しょせんはアマチュア」と考えます。市民ミュージカルやキッズミュージカルに参加していた方も同様だと考えてください。
では、どのような方が書類選考を通過する可能性が高いかというと、二つのパターンがあるように思います。一つ目は、歌もダンスもある程度できるが、どちらかに絞るのが難しい方。もう一つは、男女ともにスタイルやルックスが素晴らしい。またはその逆で、とても太っている、とても背が小さいなど、特殊なキャラクターの方です。過去にはそのような方が合格している例も少なくありません。スポーツでインターハイ上位、国体出場、プロサッカーなどのユースチームに所属していた。アクロバットや器械体操が得意。そんな方もチャンスがあります。もう一点、合格できる可能性として、国立私立ともに上位大学を卒業した方、大学院を修了した方。海外の一流大学に留学していた方なども可能性はあります。ミュージカルはとても頭を使う仕事なので、これらの方は知的レベルがある程度実証されているからです。
何はともあれ、演技で勝負しようにも、仮に書類選考を通過したとしても、予選では「セリフ」しかありませんので、何かしらの特徴を備えた方が圧倒的に有利だと思います。
良くあるパターンで、志望動機に「歌もダンスも経験はありませんが、やる気だけは誰にも負けません!」と書くような方は、そもそも「あ~、何にもできないんだ」「誰にも負けないって、誰と比較してるんだよ・・・」そう思われるのは確実です。バレエ、ダンス、歌のジャンルでも、かなりのレベルに達している方は、ものすごく努力しているからです。私の生徒さんでも、本気でプロを目指している人たちは、私でも頭が下がるほど努力しています。

各コースの説明はこれくらいですが、オーディションについてはもう少し書く予定です。
 

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